家族信託

前職の不動産売買営業の実務において売主が認知症のため、不動産を処分したくても処分できないという場面を数多く経験してきました。家庭裁判所に申し立てをし、成年後見人を任命してもらうことで不可能ではありませんが、成年後見人は基本的に本人のための法律行為を代理で行う役割なので、親族とは必ずしも考えが一致するわけではありませんし、家庭裁判所の許可を得る必要がありますので、時間、労力を要することから、後見制度を利用されて不動産を処分されるケースは非常に少なく、結局、手を付けられずに相続まで放置するケースが多いように感じます。家族信託はご本人が元気なうちに、処分ができる人や利益を得る人を予め契約により定めておいて、自分が財産を管理できなくなったときでも、元気な時に決めておいた人によって自分の財産を守ってもらえる制度です。もちろん信頼のおける人(基本的には身内です。)が存在しなければ、そのような契約はできないと思いますが、この家族信託という制度の利用が広がれば、老後の生活がもっと潤う方も数多くいらっしゃると思います。平成19年にこの家族信託という制度が利用できるように信託法が改正されたわけですが、利用はまだ少ないようです。超高齢化社会の今、自分が認知症になった時の備えについて、多くの方に関心を持っていただき、この制度を知っていただけたらと思います。

投稿者プロフィール

三代昭博
三代昭博
1973年生まれ 松江市出身 松江東高校卒 趣味は朝ランニングと読書です。ランニングは12年間続けています。愛読書は『7つの習慣』です。

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