賃料減額請求

民法改正により民法第611条1項が賃借物の一部滅失等による賃料の減額がこれまでの”減額請求できる”から”減額される”に表現が変わりました。賃借人にとっては修繕対応の悪い大家さんに対しては当然に家賃減額の権利が主張できるようになったと思います。

サラリーマン時代に不動産に長年携わってきたこと、また不動産賃貸業を営む者として、借地借家法や民法には日頃から自然と目がいきます。行政書士業を開業し、権利義務に関する書類の作成を業として行えるようになり、自分のためだけではなく、不動産に対してお悩み事を持ちのお客様のお役に立てる仕事をしたいと思っています。そこでひとつご紹介したいのが、今回改正された民法第611条第1項です。

2020年4月の民法の大改正により以下のように民法第611条第1項が改正されました。

旧:『賃借物の一部が賃借人の過失によらないで滅失したときは、賃借人は、その滅失した部分の割合に応じて、賃料の減額を請求することができる。

これが改正により

新:『賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。

に改正されました。つまり電気・水道・ガスなどのライフラインはもちろんですが、漏水、エアコンの故障などの理由により生活が正常に行えなくなった場合などは当然に減額対象になると解釈できそうです。(詳しくは公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会が公開しているガイドラインをご覧ください。)

賃貸借契約において、10年前、20年前の家賃がそのままであるのに設備は老朽化してきていたり、まともな使用ができないのに家賃はそのまま変わらず払い続けている・・・なんて話はよく聞く話です。このようなケースでお悩みのお客様には是非、この改正ついて知っていただきたく、記事にしてみました。

法律を知り、法律に基づいた権利を行使することで、生活が改善され幸せになることもできます。もし、ご相談をご希望の方がいらっさいましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

三代昭博
三代昭博
1973年生まれ 松江市出身 松江東高校卒 趣味は朝ランニングと読書です。ランニングは12年間続けています。愛読書は『7つの習慣』です。

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