遺留分侵害額請求と生前贈与

生前贈与があった場合の遺留分の計算の仕方についてご相談を頂きました。20年前に生活の足しにと受けた親からの贈与は遺留分を請求する際、どのように計算したらよいか?という内容です。ちなみに亡くなられたのは今年で相談者の姉妹に全財産を相続させるという公正証書遺言書が存在しています。相続人への贈与は2019年7月より前の相続であれば、20年前の贈与でも特別受益として相続財産に加算することになっていましたが、改正後は相続開始前の10年間にされた贈与のみが加算されるようになりました。これにより、20年前に贈与を受けたケースでは遺留分が改正前よりも増額するように思いますが、相続財産に加算はしなくても、遺留分から受贈分は控除するため、実質、遺留分は減少することになります。この制度の趣旨は相続人間の実質的公平を後退させつつも受遺者等の法的安定性を確保することにあるようです。家族法が改正されたことで遺留分の計算も変わってきています。遺留分は遺言が残っている場合には必ず、確認するようにされてみてください。

投稿者プロフィール

三代昭博
三代昭博
1973年生まれ 松江市出身 松江東高校卒 趣味は朝ランニングと読書です。ランニングは12年間続けています。愛読書は『7つの習慣』です。

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